なぜすぐ「警察」「保険会社」「病院」に連絡・受診すべきなの?
交通事故に遭ってしまった際、「大丈夫だろう」と自己判断したり、「面倒だから」と連絡を怠ったりしてしまうと、後々大きな問題に発展することがあります。特に重要なのが、事故直後に警察への連絡、保険会社への連絡、そして病院受診を行うことです。
これら3つの行動がなぜ重要なのか、その理由を詳しく解説します。

1. 「警察への連絡」が最重要! 事故証明書がないと話が進まない
どんなに小さな事故でも、必ず警察に連絡してください。
・交通事故証明書の発行に不可欠
警察に連絡し、実況見分が行われることで「交通事故証明書」が発行されます。この交通事故証明書は、保険会社に保険金を請求する際や、示談交渉を進める上で唯一無二の公的書類となります。これがなければ、保険会社は事故があったことを確認できず、保険金の支払いに応じてもらえない可能性が高いです。
・後のトラブルを防ぐ
口約束だけで済ませてしまうと、後から相手方が事故の事実を否定したり、過失割合について意見が食い違ったりするなど、トラブルに発展するケースが少なくありません。警察が介入することで、事故状況が客観的に記録され、このようなトラブルを未然に防ぐことができます。
・人身事故としての扱い
もし怪我人がいる場合、警察に届け出て「人身事故」として扱ってもらうことが重要です。人身事故にしないと、治療費や慰謝料などを請求する際に不利になる可能性があります。
2. 「保険会社への連絡」でスムーズな補償とサポートを受ける
警察への連絡が終わったら、速やかに加入している保険会社に連絡しましょう。
・保険適用と治療費の確保
保険会社に事故を報告することで、自身の自動車保険(対人・対物賠償保険、車両保険など)や相手方の自賠責保険・任意保険が適用され、治療費や損害賠償などが支払われるようになります。特に、自賠責保険は被害者の救済を目的としているため、速やかな連絡が重要です。
・専門的なアドバイスと交渉のサポート
保険会社は交通事故対応のプロです。今後の手続きの流れや、必要な書類、治療に関するアドバイスなどを詳しく教えてくれます。また、相手方の保険会社との交渉も代行してくれるため、精神的な負担を軽減できます。
・時効に注意
保険金請求には時効があります。事故発生から時間が経ちすぎると請求できなくなる可能性もあるため、できるだけ早く連絡することが大切です。
3. 「病院受診の重要性」は体に異常がなくても変わらない
事故直後は痛みを感じなくても、必ず病院を受診してください。
・「むちうち」などの潜伏期間
交通事故の怪我で最も多いとされる「むちうち」は、事故直後には症状が出ず、数日〜数週間経ってから痛みやしびれ、だるさなどの症状が現れることが少なくありません。事故直後の興奮状態では、アドレナリンが出て痛みに鈍感になっていることも原因の一つです。
・診断書が治療費請求の根拠に
病院で診察を受け、医師に「診断書」を作成してもらうことが非常に重要です。この診断書が、警察に人身事故として届け出る際の根拠となり、さらに保険会社へ治療費や慰謝料を請求するための決定的な証拠となります。診断書がなければ、事故による怪我だと認められず、治療費が自己負担になるリスクがあります。
・適切な治療で早期回復を目指す
早期に医師の診断を受け、適切な治療を開始することで、症状の悪化を防ぎ、早期回復につながります。自己判断で治療を遅らせると、症状が長引いたり、後遺症が残ったりする可能性も高まります。
まとめ:もしもの時のために「知っておく」ことが大切
交通事故は予期せぬ出来事ですが、万が一の時にこれらの初期対応を知っているかどうかで、その後の状況は大きく変わります。
警察、保険会社、病院への連絡・受診は、ご自身の身を守り、適切な補償を受けるために絶対に欠かせません。もし、交通事故に遭ってしまって不安な場合は、一人で抱え込まず、すぐに専門家にご相談ください。当院でも、交通事故後の体のケアはもちろん、適切な手続きに関するアドバイスも行っています。